岩間ひかるです。
先週、サハラ遠征からマラケシュに帰ってきました。
わざわざ「遠征」というのには訳があって、
今回はFREE FACTORYのサハラツアーのアレンジをし、かつ、
私自身も彼らと一緒に旅をするのがミッションでした。
それゆえ、私と夫、そうなればもちろん2人の子どもたちと猫のモジャも一緒に
一家総出でサハラに出かけてきました。
FREE FACTORYというのは、作家であり”自由人”の高橋歩さんのオンラインサロン。
コロナ真っ只中の2020年夏から始まった、
なかなかに変わり者のメンバーが多いオンラインサロンだ。
リアルに会ったことがあったのは2人だけ。
その他は画面越しに会ったことがある人、無い人。
そんなメンバーが16人もサハラに集結した。
超濃厚サハラツアー
個性あふれる人たちなので、そのサハラ滞在の内容はかなり濃厚である。
特に最初にして最大のハイライトだったのは、
シェビ砂丘の深部へラクダで行って、各自持ち込んだテントを張って
キャンプファイヤーを囲んで泊まった一泊。
巨大な砂丘の絶壁の真下にキャンプを張ったもんで、
サンセットやサンライズを見るために砂丘へ登頂を試みるも
なかなかの修行レベル。
だけどこの登頂が、噛めば噛むほど味が出る体験のひとつになろうとは
この時は思ってもいなかった。
旅の締めくくりは、サハラを踏破できるかの”最終試験”と題して、
バギーで割と砂丘の深い部分に各メンバーを放置して
各自自分の五感を駆使してホテルまで歩いて帰ってくるという課題。
迫り来る日暮れのなか、これは運営側の立場としては
ハラハラしかないけれども、参加者にとっては良い体験だったようだ。
そしておそらくこの最中に、参加メンバーの一人がスマホを落としていたことが発覚し
みんなで大捜索したこともかなりインパクトを残した。
みんなでサハラで過ごした5日間。
私たちが建設したグランピングJardin Kotori Campで過ごした時間。
私がクラファンを成功させて建設したエコファーム。
ここへみんなが来て、話して、笑って、踊って。
そんな光景を見られたこと、自分がその場にいられたことが本当に幸せだった。
絶望と希望のはざまで
今振り返れば
サハラにJardin Kotori Campを建設してオープンした2019年11月。
その4ヶ月後に世界中をパンデミックが覆い、旅行業の息が止まった2020年3月。
それと同時に始めたJardin Kotori campでの疎開生活。
2020年8月、マラケシュに一時戻って身体中で感じた街の悲壮感。
それを機に覚悟を決めたエコファームの建設。
クラファンに挑戦していた2年前の今ごろ。
クラファンは大成功したけど入金まではその日食べるものにも苦労して、飼ってた鳥を売って現金を得ていたどん底の生活。
エコファームを建設し始めた2021年春。
マラケシュに戻ることを決めた2021年夏。
マラケシュ生活を再起動させるべく、手当たり次第なんでもやってみたこの1年。
観光業の歯車がもう一度回り始めたことを実感したこの秋以降。
そして今。
こうして振り返ってみたら、
なかなかの変化と波乱と絶望感でしょう(笑)?
でも、
ビジネス的には、スタートダッシュで盛大にずっこけたJardin Kotoriも
その存在が無ければ我々一家は疎開生活を送ることができなかったし、
疎開生活が無かったらエコファームを造ろうとは思わなかった。
エコファームは300年のヒストリーをゆっくり歩み始めたところだし、
Jardin Kotoriはやっと長い眠りから目覚めようとしている。
今振り返れば、欠けて良いピースはひとつもないし、
絶望感とてそのピースのひとつなのだ。
全ては必要だったのだ。
大砂丘の頂上を目指せ!
そこで、先の大砂丘登頂の話である。
朝日を見るために大砂丘に登った仲間が言った。
「死ぬ思いで斜面を登って、登りきった場所が頂上だと思ったのに
またその更に上があるのが見えた時の絶望感たるや!」
「それしかし、人生の如し!」
その朝、正直私には砂丘を登る気も、朝日を拝む気もなかった。
しかし6時に一度目が覚めて、トイレに行って二度寝を試みたら
全然眠れなかったので、砂丘でも登ってみることにした。
見上げると、夜を終えようとした雰囲気の空に
薄い月が浮かんでいた。
砂丘を登ろうとも思わなかった理由は唯一かつ明瞭で
めちゃくちゃしんどいからである。
昨日のキャンプファイヤーの時から着てたジェラバとターバンは
キャンプファイヤーの煙の匂いがした。
しずかに、大砂丘の尾根へ向けて歩き出す。
分かっちゃいたけど、やっぱりハード。
起床から20分で全身呼吸するなんて!
足の動きと、呼吸とをいい感じでリズムを取って、
一歩一歩着実に登る。
呼吸だけ聞いてたら高山登頂並みだ。
一直線に長く続く尾根を、東の空が見えるところまで登る。
きっとそこに頂上があるはずだから!
最後の傾斜はさらに勾配が急になって、2足歩行ではズリ落ちる。
四足歩行に切り替えて、四つん這いで這い上がる。
砂が冷たい。
すると、やっと東の空が見えた。
しかし同時に、
右手に新たに砂丘の頂が更に2つくらい見えてしまったのだ!
こんなに苦労して登ったのに
更に上があるなんて聞いてないよ〜(笑)
この現実に絶望したメンバーは、新たな頂ではなくて
さらに東に近づく丘を下っていった。
私は、新たに見えた頂から絶景が見えそうな予感しかしなかったので、
更に右手の頂へ続く尾根を登り始めた。
また四つん這い。
でも、絶対きれいなはず!!
予想どおり、次の頂付近からは
砂丘のエッジ越しに東の地平線が見えた。
そして、間もなく太陽が顔を出そうという位置が
じんわりと温かそうに色づいている。
さぁ、朝が来るぞ!!
なぜかそんな大砂丘のてっぺんでスマホに4Gが入ったので、
サンライズの模様をインスタライブしました(笑)
太陽が相変わらずあたたかい。
夜の間に凍てついた空間に、安堵をもたらしてくれる。
朝日を受けたシェビ砂丘が真っ赤に染まり、目を覚まし始める。
地球は毎日、淡々とこれを繰り返している。
なんの感情もなく。
人間はおもしろくて、そこに感情を乗っける。
感動したり、絶望したり。
砂丘もそこにあるべくしてそこにあるだけ。
だけどそこに人生を重ねてしまう。人間が故。
それすなわち、人生の如し
モロッコという、人生をかけて愛すべき対象が見つかるまでの時間
モロッコに出会ったけど、ごまかしながら日本で生きてた時間
とうとうモロッコ移住を実現して、開拓してきた日々
切り開いた全てのものが止まってしまった期間
そこからまた這い上がっている今
まさに、人生は大砂丘の如し。
高い山、低い山
急な斜面、緩い斜面
硬い斜面、儚い斜面
光の当たる場所、影になる部分
ここまで自分が生きてきた軌跡の一つ一つが、
大砂丘の波のように見えてくる。
そしてまたこれから先も
数々の頂が立ちはだかり、絶壁もあるんでしょうに。
まじでサハラは全てを教えてくれるね!
旅の終わりに、一人一人旅の感想を話した。
感極まって涙する人も居た。
私は、、、もちろん泣いた。
だって嬉しかったから。
20年前に出会って、いまや私の人生の全てと言っても過言ではないモロッコ。
私の今生を形作ってくれている存在。
旅の仲間がモロッコに出会って、それが彼らのハートの深い部分にタッチして、
涙してる人たちがいる。
うれしいじゃないの。
そうだった。
こういう経験と体験とを、私は人生をかけてもたらしていきたいんだ。
この3年、なかなかにめげそうなことの方が多かったと
今になってみれば思うけれども、そんな私に
お前はこれからもモロッコ旅で生きていくのか?
と、
今回サハラに問われた気がしている。
答えはもちろん、
YES!
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